企業の借入限度額の基準は?中小企業だと低く設定されそうで不安

零細企業より少し大きい、対外的には中小企業と呼ばれる会社の社長をしています。会長が母の親族経営です。私は元々、社長であった父の後を継ぐつもりはありませんでした。歳の離れた弟がいずれ継げば良いと思い、好き勝手をしていました。

しかし父が急死し、弟はまだ未成年で学生のため、会社の役員がサポートしてくれるという言葉を信じて、弟が継ぐまでの繋ぎとして社長に就任しました。いざ就任してみると、父がワンマン経営だったため、会長の母も役員も経営の知識がほとんどないことに愕然としています。

事業に使う経費のため、銀行の融資が必要なのですが、借入限度額の基準はどうやって決められるのでしょうか?中小企業だと、こちらが希望している金額より低く見積られるような気がして不安です。不勉強の恥を忍んでお聞きしております、何卒お答え下さい。

融資限度額は条件によって変わります!まず相談!

親族経営に限らず、トップの人がワンマンだと、急な事態に困ってしまうこともありますよね。無論、悪いことではありません。ワンマンであるがゆえのメリットもたくさんあります。しかし今はデメリットの方が強く出てしまっているようですね。ことにお金に関しての悩みは、起業関連は個人融資よりも複雑で、今までの経験がないと戸惑ってしまうことでしょう。

何よりもまず、銀行に相談に行くことです。分からないことは何でも聞いてみましょう。一人の問題ではなく、会社の社員さんたちの人生にも関わってくることなのですから、しつこいと思われるほどに聞いて、しっかり納得してから融資の話を進めていくべきです。

基本的に、融資の基準額と言うものは大まかに決められています。しかしそれが全て融資されるかと言うと、様々な条件で変わってくる、曖昧な一面を持つこともまた確かです。今回必要な資金の名目は何でしょう?どんな理由で融資を希望するのですか?

いつもの経費のための資金でしょうか?それとも社員へのボーナスや税金、赤字のための資金でしょうか?社内で業務に使う設備の改善に使われる資金かもしれませんね。これらの内容によって「必要性」を問われます。必要性が高いと思われれば、融資される金額は変わってきます。

また、「必要な金額をすべてこの銀行で借りる」と言った時と、「他の銀行にはこの経費を借りて、こちらの銀行ではこの経費分を借りる」と言った時では、やはり対応が違います。これは担保の問題や、業績から推測できる返済能力が関わってきます。過去の業績などを判断材料にされることも多々あります。

このように、一概に「基準はこれこれこうである!」と断言することは大変難しい内容です。しかし、銀行側もビジネスとして融資という形態を取っているわけですから、あなたの会社の計画や業績、必要とする部分を的確に説明することができれば、より多くの融資を受けられる可能性があります。

いきなりの代替わりで準備も不足しておられたことでしょう。しかし、銀行側も鬼ではありません。今まではお父様が上手にやって来たのでしょうし、良い取り引きが出来ていたのなら、代替わりをしてもビジネスを続けたいと思っているはずです。ぜひ、腹を割って相談してみてはいかがでしょうか?

企業の借入限度額ってどうなっているの?これを知っておけばOK

昔々、無借金経営をしなさいと経営の神様と呼ばれるあの人は言ったそうです。これをそのままに納得し受け止めた某氏は、無名時代の中小企業で実行して今の大企業の基礎を築き上げたそうです。知り合いの経営者たちはこの話に感動し、彼らに同意し、同時に苦悩の表情を浮かべていたことを思い出します。

でも経営学は少し異なった見解を提示します。資本の回転という考え方が経営の本質の一つを雄弁に語っています。少しでも多くの資産を利益追求にまわすべきなのが企業であることになります。資産には借入金を含めて考えますから、つまりは儲かるならば借入してでもより多く儲けることが経営にとって大変重要なことだといえるでしょう。この視点で経営の神様の提言を判断すれば、みすみす利益を見逃している可能性があることになります。

無論、日常の業務を圧迫するような借金経営は困りモノです。自転車経営に陥り会計が火の車などと表現される企業のあり方は、経営判断を鈍らせ、重要な決定を誤らせたり、機会を失してしまったりする危険を孕むモノです。いわゆる借金でクビが回らないという状況です。このような状況に至る原因は様々あると考えられますが、企業経営が投資である以上、完全に避けることはできないでしょう。

以上の2点から、自社の経営において、借入の上限(借入限度額)を知っておくことは重要な意味を持つと考えられます。但し、借入限度額という一定の指標が共通で用いられているわけではありません。この指標は銀行等の金融機関が企業の返済能力を判断する際にそれぞれが参考として用いるモノだからです。それでもこの指標は経営状態を判断するためのツールとして経営者にとって必要なものであることに違いはありません。

ここでは数字を小さくして考えてみます。太郎君にはお小遣いが1000円あります。そしてそれを使ってバザーに出店しました。500円分の材料を仕入れて800円の売上げを出したとします。この場合、資産回転率は80%になります(800円÷1000円×100)。

もし、太郎君が1000円を仕入れに使えば、期待できる売上げは1600円になります(800円×1000円÷500円)。そうすると、資産回転率は100%になり、彼はとても効率的にビジネスを実行しているという評価になるわけです。

そしてもし、バザーが月に一回あって太郎君が毎月参加すれば、彼の借入金の限度額はざっくり月商3ヶ月分の売上げ(月商倍率という)、一旦4200円と考えることができます。これはあくまでもモデル化していますので実際にこんなに簡単に割り出せるものではありません。それでも毎月の売上げを一つの目安にして経営状況を眺めてみることのメリットは大きいのではないでしょうか。

太郎君がバザービジネスを拡大して、5200円(自己資本+借入金)の資産を運用するななら、8000円以上の売上げを見込めることになります。これは太郎君のビジネスの可能性を示していると考えることができます。借入金を賢明に導入してビジネスを拡大することはあらゆる企業経営の重要課題への答の一つだといえます。

整理すると企業の借入限度額は、健全な経営を心がけるなら、月商の3ヶ月分を目安にするのが妥当です。そしてこの時の経営の健全さは事業の効率性によるところが大きく、資産回転率が指標として使えるということになります。健全な企業経営のために、事業の効率性向上のために是非、キャッシングサービスを検討してみたいものです。

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